子どもの様子が変!? 不登校になるまでとフリースクールを始める時期

不登校は、ある日突然始まるわけではありません。
実は、子どもの中では長い葛藤と我慢の末にやむを得ず「不登校」になるのです。

今回は、子どもの様子に異変を感じたときからフリースクールを始めるまでを5段階にわけて、それぞれの時期で必要とされる親の接し方をお話しします。

元気に登校しているとき


子どもが毎朝決まった時間に起きてきて、朝ごはんもしっかりと食べて「いってきます」と元気に登校しているときには、親は見守りましょう。
「見守る」とは、目を離さず子どもの様子を観察することです。

アメリカ先住民の子育て四訓に「乳児はしっかり肌を離すな。幼児は肌を離して手を離すな。少年は手を離して目を離すな。青年は目を離して心を離すな。」という言葉があります。
小中学校時代は少年青年期です。
子どもの話に耳を傾け、普段の子どもの様子を観察し、目と心でしっかり見守ります。

普段の様子をしっかりと観察しておくことで、子どもの異変をいち早く察知することができます。


不登校気味になってきたとき


登校時間が近くなると不機嫌になったり、学校を休みがちになったりしてきたら不登校のサインです。
「学校に行きたくない」とはっきりと言える子どももいますが、トイレからなかなか出てこなかったり、朝布団から出てこなかったりして行動で訴える子どももいます。

不登校気味になってきたとき、親が一番気をつけたいことは「子どもの気持ちを認めること」です。
子どもが不登校気味になれば、どんな親でも不安になり動揺します。
焦りと不安の矛先は子どもに向かい「なんで行かないの!」「学校に行くのはお前の仕事でしょ」と子どもを追い詰める言葉をかけてしまうこともあります。
不登校気味の子どもは、下り坂を下っている車のようなものです。
追い詰める言葉は、子どもを後ろから押し出してスピードオーバーにしてしまうでしょう。

子どもが下り坂を下り始めたら、親はブレーキになってあげましょう。
「つらいときには休めばいい」と声をかけ、親自身も子どもの現実を受け入れる心の準備をしましょう。


完全に不登校になったとき


完全に不登校になったときは、子どもが長い葛藤と我慢を乗り越えたときです。
「学校に行かないといけない。でも行かれない。」というつらい葛藤を終えて「不登校」という結果が出たときです。
とても疲れている状態でしょう。
根掘り葉掘り問いただしたりせずに、まずは身も心も休ませてあげましょう。

親は不登校になると「次はどうしたらいい」「学校に早く戻さなければ」と考えます。
しかし、不登校になったときの子どもはガソリンが切れた状態で補充が必要です。
車だって走行しながらのガソリン補充はできません。
次のステップは、補充を終えるまで待ちます。

完全に不登校になったとき、親にできることは「待つこと」です。
しかし、ただ待っているだけではなく、子どもの心が落ち着いた後のことを考えておきましょう。
不登校の後は、学校に戻る以外にも道はたくさんあります。
たくさんの選択肢があることを知るだけでも「意外と大丈夫かも」と心が落ち着くものです。


不登校でも家族との会話が増えてきたとき


子どもの心が落ち着いてくると、ひとりで過ごす時間が減り、家族が集まるリビングに出てくる時間が増えてくるでしょう。
家族との会話も増えてきたら心が落ち着いてきたサインです。
学校に行かれなくても、図書館や遊びにでかけられるようになることもあります。
「学校に行かないのに遊びに行ってはダメ」と言わず、子どもの意志を尊重します。
外に出られる状態になったら、いよいよ次のステップに進むタイミングです。
子どもとの会話の中で「新学期が始まるね」と学校の話題を出してみてもいいのではないでしょうか。
もしも子どもが拒む反応をみせたら、そこで学校の話題は終わりです。
「焦らずに少しずつ」は、どの時期でも共通しているルールです。

ただし、中には無気力になったり、暴力的になったりする方向に進んでしまうこともあります。
その場合は医師の診断や専門家のアドバイスが必要なケースも考えられます。
「待っていてもよくなる様子ではない」と思ったときには、早めに医師に相談しましょう。


フリースクールを始める時期


子どもが家から出られるようになると「学校に行こうかな」と思い始めるかもしれません。
子どもが「明日、学校に行ってみる」と言ってきたときには、親はポーカーフェイスで「わかった」と答えましょう。「すごい! えらいね」「その調子でがんばれ」と過度に褒めたり応援したりすることは子どもの負担になります。
登校するつもりでも当日の朝になると「やっぱり行かれない」ということはよくあることです。
過度に褒めないことは、登校できなかったときに自分を「登校できないダメな子」と思わせない配慮です。

また、学校には戻れないけれど家から外に出たい気持ちが出てきたときにはフリースクールを始めてみましょう。
フリースクールは、自分のペースで通学し、自分のペースで学べる場所です。
固定されたカリキュラムがないため「遅れた」という心配もありません。
フリースクールは、不登校の子どもを受け入れる場所ですが、通うタイミングが大切です。
不登校になった直後にフリースクールをすすめても、子どもには新しいことを始めるパワーがありません。
再び走り始められるくらいガソリンが補充できた頃を見計らってフリースクールをすすめてみましょう。


おわりに


フリースクールはそれぞれに特徴や雰囲気があります。
いくつかのフリースクールを見学し、子どもが落ち着けるスクールを選びましょう。

紹介した5つの時期の長さは個人差があります。
とくに完全に不登校になり家から出ない時期の個人差は大きく、親は不安になるでしょう。
次のステップに進むポイントは、子どもの変化に気づき、次のステップの手がかりをタイミングよく差し出すことです。
いきない「フリースクールの見学に行こう」と言っても、子どもは抵抗するかもしれません。
事前にパンフレットを取り寄せて、具体的な雰囲気を感じておくこともひとつの方法です。

 

文筆:式部順子(しきべ じゅんこ) 武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業 サークルは五美術大学管弦楽団に在籍し、他大学の美大生や留学生との交流を通じ、油絵や映像という垣根を超えた視野をみにつけることができた。 在学中よりエッセイを執筆。「感性さえあれば、美術は場所や立場を超えて心を解き放つ」をモットーに美術の魅力を発信。子育て中に保育士資格を取得。今後は自身の子育て経験もいかし「美術が子どもに与える影響」「感性の大切さ」を伝えていきたい。

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