いいフリースクールの見抜き方5つのポイント

フリースクールは、日本国内だけでも500校以上あります。
フリースクールには、それぞれにタイプと雰囲気があります。
フリースクールを検討したら、子どもと一緒に見学をしてみることをおすすめします。

今回は、見学するときにチェックしたい5つのポイントをお話しします。

「頑張って学校に戻ろう」とは言わない


フリースクールに通う子どもたちは、何らかの理由で不登校になっている子どもたちです。
不登校は、不登校になる前から心を消耗し、不登校になってからは心を癒す時間が必要です。
フリースクールの見学は、心が「なんとか外に出られるくらい」まで癒されたころに行くことになるのではないでしょうか。

フリースクールによっては、保護者に「頑張って早く学校に戻りましょう」「学校に早く戻れるようにします」と言うことがあります。
「早く学校に戻る」という言葉は、一見いいように聞こえますが、実は子どもを第一ではなく親を第一に考えている表れかもしれません。
フリースクールを見学する子どもの気持ちは「学校には行かれないけれど家以外の居場所を探したい」ではないでしょうか。
にもかかわらず「早く学校に戻ろう」と言われたら、フリースクールは「学校に戻るまでの仮の居場所」にしかならないでしょう。
心を癒すどころか落ち着くことすらできません。

ただ親は違います。
「学校に早く戻れるようにしてくれる」と言われたら、わらにもすがる思いです。
心が動いてしまうかもしれません。
フリースクールを見学するとき、親は自分の安心よりも子どもの気持ちを優先し、子どもが本音を言いやすい雰囲気を作ることが大切です。

「早く学校に」と言われたときには「親の不安は解消できるけど、子どもにとっては負担が大きくなる可能性もあるスクール」と考えてみるといいのではないでしょうか。


職員やスタッフに話しやすい雰囲気がある


フリースクールの雰囲気は、建物ではなく職員やスタッフの人柄でできています。
見学のときには、ぜひ設備だけでなく職員やスタッフと積極的に話をして雰囲気を探ってみましょう。

ポイントは「話しやすい雰囲気があること」です。
デパートならば積極的に売り込みができるスタッフのほうが優秀とされますが、フリースクールは逆です。
口下手な子どもや口数が少ない子どもを相手にしたとき、言葉が出るまでゆったりと待ってくれる雰囲気が大切になります。
見学中に職員が一方的にしゃべっていたり、先生と生徒の間に上下関係を感じたりするときには大人主体の運営がされているかもしれません。
フリースクールでは、先生とは呼ばずスタッフと呼ぶことが多いです。
これは、学校に行かれない子どもに学校を連想させない配慮です。


ルールやカリキュラムの上で運営されていない


フリースクールは、学校のような時間割がないところがほとんどです。
もしも時間割や登校時間にルールがある場合は、心を癒よりも「学校に早く戻ることを優先しているスクール」かもしれません。

フリースクールに時間割がない理由は、ただ自由な雰囲気を作ることが目的ではありません。
子どもの自主性を引き出すことが目的です。
「9時までの登校がルールだから」という受動的な理由で動くのではなく、自ら登校したいと思う能動的な理由で登校することを求めているからです。

2019年に文部科学省が「不登校児童生徒への支援の在り方について」という通知を出しています。
この中に「不登校児童生徒への支援は,「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく,児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて,社会的に自立することを目指す必要があること。」という文があります。
以前は「早く学校に戻す」という印象が強かったのですが、今は大きく変化しています。


スクール内にも子どもの「逃げ場所」がある


フリースクールに通うようになってからも、一気に子どもが元気になれるわけではありません。
フリースクールに行けば新しい人間関係が始まり、居心地悪く感じることもあります。
そんなときに必要な場所が逃げ場所です。
みんなが集まる場所から少し離れた場所にマンガスペースやゲームスペースがあったら立派な逃げ場所になります。
「マンガやゲームなんて必要ない」と考えるならば、そこは「学校の代替」にはなるけれど、心の居場所にはなりにくいのではないでしょうか。

フリースクール内に「逃げ場所」を用意してあるフリースクールは、不登校になった子どもの心を理解し、癒すことを第一に考えている表れでしょう。


金額が相場と合っている


フリースクールの費用相場は、立地や内容によって幅があります。
入会金0円で授業料1,000円という地方のアットホームなスクールがあれば、学校法人で初年度は100万円ちかくすることもあります。
「安ければいい」「高いところは悪い」というわけではなく、内容と照らし合わせて相場と合っていることが大切です。
例えば、授業料が安くても課外活動費は別途必要になったり、スタッフ数が少なかったりすることがあります。

相場を知る方法は、たくさんのフリースクール情報を集めることです。
公立図書館にはフリースクールガイド本があります。
全国のフリースクールが掲載されているため、相場を知るときに役立ちます。
合同相談会や親の会に参加してみる方法もあります。


おわりに


いいフリースクールは、子ども自身が「ここなら通いたい」と感じたところです。
ポイントは親ではなく「子どもが感じること」です。

子どもは、フリースクールをたくさん見学しても「ここだ」と決められないこともあります。
それでも「学校以外の居場所がこんなにある」と知っただけでも子どもの心の視野は広くなるのではないでしょうか。

 

文筆:式部順子(しきべ じゅんこ) 武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業 サークルは五美術大学管弦楽団に在籍し、他大学の美大生や留学生との交流を通じ、油絵や映像という垣根を超えた視野をみにつけることができた。 在学中よりエッセイを執筆。「感性さえあれば、美術は場所や立場を超えて心を解き放つ」をモットーに美術の魅力を発信。子育て中に保育士資格を取得。今後は自身の子育て経験もいかし「美術が子どもに与える影響」「感性の大切さ」を伝えていきたい。

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