子どもの絵画教室(グループ)でパブリックスピーキングのスキル(伝える力)がつく3つの理由

「沈黙は金なり」と言われていた時代は遠くなり、今は人前で自分の考えをしっかりと伝える力が求められています。
とはいっても、大勢を前にして自分の意見を堂々と伝えるためにはかなりのスキルや自信が必要です。

今回は、話す力や伝える力とは全く関係がないようにみえる子どもの絵画教室(グループ)がパブリックスピーキングのスキル向上に役立つ理由をお話しします。

パブリックスピーキングとは


パブリックスピーキングとは「公の場で話すこと」です。
具体的にいうと人前でスピーチをしたりプレゼンしたりすることをいいます。
入学や入社の面接では決まった答えを言うだけでなく、正解のない答えを自分の言葉で表現する力が求められます。
社会に出れば商品のプレゼンや自分自身のアピールなどパブリックスピーキングは現代を生きるための必須のスキルになりつつあります。
パブリックスピーキングのスキルは、自分自身を魅力的にみせるツールにもなります。

パブリックスピーキングのスキルは、ノウハウを学び練習をすることでも向上します。
しかし、より自然に説得力ある伝え方をするためには表現力と自信がポイントです。
自信があるだけで説得力は増し、豊かな表現力は人を惹きつけます。


子どもの絵画教室(グループ)で
パブリックスピーキングのスキルがつく3つの理由


グループで学ぶ子どもの絵画教室には、パブリックスピーキングにつながる要素がいくつもあります。
ここからは、子どもの絵画教室(グループ)がパブリックスピーキングのスキル向上に役立つ理由をお話しします。


<自分の内面を表に出すことができるようになるから>


パブリックスピーキングは、台本を読むこととは違います。
話す内容は自分で考え、自分の言葉で表現します。
協調性があればあるほど「人と違った意見を言うのは恥ずかしい」と思いがちです。
自分の内面を表に出すことはとても勇気がいることです。

子どもの絵画教室では、自分の作品をみんなの前で発表します。
作品は自分の内面そのものです。
はじめは自分の作品を見られることに抵抗があっても、徐々に全体の勢いと流れにのって発表に慣れます。

パブリックスピーキングのスキルを向上させるポイントは、きれいな言葉を選ぶのではなく、内面にある自分らしい言葉で表現することです。
絵画教室で自分の内面を発表することを繰り返すうちに、子どもたちは自然と自分らしく表現するスキルを身につけることができます。


<人前で伝えることの訓練ができるから>


「場慣れ」と言う言葉があります。
意味は、場数をふんで慣れることです。
パブリックスピーキングは、場慣れも大切なポイントです。
人前で話すことが苦手な人も場数をふむと徐々に自信がついて慣れてくるのです。

子どもの絵画教室では、作品が完成すると講評会をします(個別に講評をして終わることもあります)。
講評会では、みんなの作品を並べて鑑賞し、先生がひとつひとつの作品にコメントを言います。
講評中に先生から質問されることもあります。
例えば「なぜこの構図にしたのか」と質問されたら、質問された子どもは自分の考えを人前で発表しなければなりません。
作品について説明することは自分の思考を説明することです。
自分の頭の中を大勢にわかるように伝えることはとても難しいことです。
話がまとまらず言葉につまることもあります。
そんなときには先生が助け舟を出して応援します。
言葉で表現することも作品をより深く見てもらうためには必要な表現です。

子どもの絵画教室では、絵と言葉の両面から「表現し伝えること」の訓練を繰り返しています。


<話すこと・聞くこと・描くことで伝え方が学べるから>


子どもの絵画教室では、絵を描くことで自分の内面を表に出す力をつけます。
「みんなと違ってもいい」「自分らしいがかっこいい」という気持ちはパブリックスピーキングの要になります。
そして作品について話すことで伝える力をつけます。
自分の内面を表に出すだけでは自己満足になってしまうことがあります。
相手にわかるように表現し伝えようとする気持ちもパブリックスピーキングの大切なポイントです。

そして、人を惹きつける話し方ができる人は聞く力ももっています。
子どもの絵画教室では、自分以外の子どもの作品を鑑賞し、解説や意見を聞きます。
自分とは違った表現や考えに耳を傾けることで「相手を惹きつける話し方」を無理なく学ぶことができるのです。

 


おわりに


子どもの絵画教室は絵のスキルを習うだけではありません。
子どもたちは、絵を通して自分の内面を表現する力を培っています。
自分の内面を堂々と表に出すために必要なものが自己肯定感です。
自分の内面を表現した作品をみんなの前で発表し、受け入れられることは自己肯定感を高めます。

子どもの絵画教室で楽しみながら自己肯定感を高め、大人になってからも役立つパブリックスピーキングのスキルも高めてみてはいかがでしょうか。

 

文筆:式部順子(しきべ じゅんこ) 武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業 サークルは五美術大学管弦楽団に在籍し、他大学の美大生や留学生との交流を通じ、油絵や映像という垣根を超えた視野をみにつけることができた。 在学中よりエッセイを執筆。「感性さえあれば、美術は場所や立場を超えて心を解き放つ」をモットーに美術の魅力を発信。子育て中に保育士資格を取得。今後は自身の子育て経験もいかし「美術が子どもに与える影響」「感性の大切さ」を伝えていきたい。

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